仮想通貨はなぜ稼げる？仕組みと理由、今から始める注意点を解説

そんな疑問をお持ちではありませんか。ニュースでは「億り人」なんて言葉も聞きますが、一方で「大損した」という話もあって、不安になりますよね。

結論から言うと、仮想通貨は今からでも稼げる可能性を秘めた市場です。ただし、それは「誰でも簡単に儲かる」という意味ではありません。

なぜ仮想通貨が「稼げる」と言われるのか、その理由や仕組み、そして安全に始めるための注意点を、わかりやすく解説していきます。

仮想通貨（暗号資産）が「稼げる」と言われる4つの理由

仮想通貨が「稼げる」と言われる背景には、他の投資対象とは異なる、いくつかの特徴的な理由があります。なぜ多くの人が仮想通貨に可能性を感じているのか、その核心を見ていきましょう。

理由1: ボラティリティ（価格変動）が非常に大きいから

仮想通貨が稼げると言われる最大の理由は、この「ボラティリティ（価格変動の幅）」の大きさにあります。例えば、株式市場では1日に1〜2%動けば大きい方ですが、仮想通貨の世界では、主要な通貨でさえ1日に10%以上、マイナーな通貨（アルトコイン）になると数十%も価格が変動することが珍しくありません。

価格が大きく動くということは、それだけ「大きな利益を生むチャンスがある」ということです。短期間で資産が2倍、3倍になる可能性も秘めているため、「稼げる」というイメージが強くなるわけですね。

もちろん、これは逆に「大きな損失を出すリスクがある」ことと表裏一体。ハイリスク・ハイリターンな性質こそが、仮想通貨市場の最大の特徴と言えるでしょう。この変動を利用して、安く買って高く売る「キャピタルゲイン」を狙うのが、最も一般的な稼ぎ方です。

理由2: 将来的な需要拡大と技術革新への期待

仮想通貨は、単なる投機対象としてだけでなく、その基盤技術である「ブロックチェーン」が社会を変える可能性を秘めている点も、稼げると言われる理由です。

例えば、仲介者なしで金融取引を行う「DeFi（分散型金融）」、デジタルアートやアイテムの所有権を証明する「NFT（非代替性トークン）」、そして次世代のインターネットと言われる「Web3.0」など、ブロックチェーン技術はすでに様々な分野で実用化が始まっています。

これらの技術が今後さらに普及し、実社会での需要（実需）が増えれば、その基盤となる仮想通貨（ビットコインやイーサリアムなど）の価値も長期的に上昇していくのではないか、と期待されているのです。将来有望な技術やプロジェクトに早期から投資できる点が、大きな魅力となっています。

理由3: 24時間365日、世界中で取引できる

株式市場は、平日の日中（例えば東京証券取引所なら9:00〜15:00）しか取引できませんよね。しかし、仮想通貨市場には「取引所が閉まる」という概念がありません。

土日祝日や深夜早朝を問わず、24時間365日、世界中のどこからでも取引が可能です。これは、日中仕事をしている会社員の方や、自分のライフスタイルに合わせて取引したい人にとって、大きなメリットとなります。

取引のチャンスが常に開かれているということは、それだけ利益を得る機会も多いということです。世界中で大きなニュースがあれば、市場は即座に反応します。このスピード感と機会の多さも、「稼げる」可能性を後押しする要因の一つです。

理由4: ステーキングやDeFiなど「運用」で増やす方法がある

仮想通貨の稼ぎ方は、安く買って高く売る「売買差益」だけではありません。株式の配当金や銀行預金の利息のように、仮想通貨を「保有しているだけ」で収益を得る方法（インカムゲイン）が充実しているのも特徴です。

代表的なのが「ステーキング」です。特定の仮想通貨を保有し、ブロックチェーンのネットワーク維持に貢献することで、報酬として新たな通貨を受け取れます。また、「レンディング（貸仮想通貨）」サービスを使えば、保有する通貨を取引所などに貸し出すことで、利息を得られます。

さらに「DeFi」の世界では、自分の資産を預けて流動性を提供（イールドファーミング）することで、より高い利回りを狙うことも可能です。このように、売買タイミングを狙うだけでなく、長期的に「運用して増やす」選択肢が多い点も、仮想通貨が稼げると言われる理由です。

「稼げる」は本当？仮想通貨の主な収益モデル

仮想通貨で「稼ぐ」と言っても、その方法は一つではありません。自分がどの方法で利益を狙うのかを理解しておくことは非常に重要です。ここでは、主な収益モデルを整理してみましょう。

仕組み1: キャピタルゲイン（売買差益）

最もシンプルで、多くの人がイメージする稼ぎ方がこの「キャピタルゲイン」です。仮想通貨を「安く買った時よりも高い値段で売る」ことで、その差額が利益になります。

例えば、1BTC（ビットコイン）を300万円で購入し、その後価格が上昇して400万円になった時に売却すれば、100万円（税引前）の利益が得られます。

理由1で述べたように、仮想通貨はボラティリティが大きいため、短期間で大きなキャピタルゲインを狙える可能性があります。ただし、価格変動を予測して売買（トレード）するには、市場のニュースを追ったり、チャートを分析したりする知識や経験も必要になってきます。もちろん、予測が外れて購入時より価格が下がり、損失を被る（損切りする）リスクも常に伴います。

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仕組み2: インカムゲイン（運用益）

キャピタルゲインが売買による「一回ごと」の利益であるのに対し、「インカムゲイン」は資産を保有し続けることで「継続的」に得られる利益です。銀行預金の利息や株式の配当金をイメージすると分かりやすいかもしれません。

仮想通貨におけるインカムゲインの代表例が「ステーキング」や「レンディング」です。

• ステーキング: 対象の仮想通貨を保有（ロック）し、ネットワークの安定稼働に貢献する見返りとして、報酬（新たな通貨）を受け取ります。
• レンディング: 保有する仮想通貨を、取引所や第三者に一定期間貸し出すことで、利息（貸借料）を受け取ります。

これらの方法は、売買のように常に価格を気にする必要がなく、比較的安定した収益を期待できるのが魅力です。ただし、通貨をロックしている期間中は売却できないといった制約のほか、貸し出し先のサービスが破綻するリスク（カウンターパーティリスク）には最大限の注意が必要です。

2022年には、大手レンディング企業のCelsius（セルシウス）やVoyager（ボイジャー）が相次いで破綻し、多くのユーザーが資産を引き出せなくなる事態が発生しました。高い利回りには、それ相応の高いリスクが伴うことを認識しなくてはなりません。

仮想通貨の主な稼ぎ方（比較表）

稼ぎ方	概要	メリット	デメリット・リスク
キャピタルゲイン （トレード）	安く買って高く売る（または空売り）ことで差益を得る	短期間で大きな利益を狙える 少額からでも始められる	価格変動により大きな損失を被るリスク トレードの知識や分析が必要
インカムゲイン （ステーキング）	対象通貨を保有・ロックし、報酬を得る	保有しているだけで資産が増える可能性がある 売買のタイミングを計る必要がない	ロック期間中は売却できない 通貨自体の価格が下落するリスク
インカムゲイン （レンディング）	保有通貨を貸し出し、利息を得る	比較的安定した利回りが期待できる 手間がかからない	貸し出し先の破綻リスク（資産が戻らない可能性が非常に高い） 貸出期間中は売却できない
その他 （NFT・ゲームなど）	NFTを売買する、ゲームをプレイして稼ぐ（Play to Earn）	新しい分野で先行者利益を得られる可能性 楽しみながら稼げる場合も	市場の流行り廃りが激しい 詐欺的なプロジェクトも多い

仮想通貨は「もう稼げない」は嘘？今から始めるメリット

「仮想通貨ブームは終わった」「今からはもう遅い」といった声を聞くこともあります。確かに、2017年や2021年のような熱狂的なバブル期もありましたが、市場は常に変動しています。2024年には米国でのビットコインETF（上場投資信託）承認をきっかけに、再び大きな上昇局面も見られました。

熱狂的な時期と比べれば落ち着いて見える時期もありますが、「もう稼げない」と判断するのは早計です。

市場の成熟と法整備の進展

過去のバブル期は、まさに「何でも上がる」ような投機的な側面が非常に強いものでした。しかし、ブームと暴落を経て、市場は少しずつ成熟してきています。2022年のFTX破綻のような大きな出来事を経て、むしろ各国で規制や利用者保護の議論が加速しました。

日本では、顧客の資産保護やマネーロンダリング対策（トラベルルールなど）が強化され、以前よりも安全に取引できる環境が整備されつつあります。市場が成熟し、ルールが明確になることで、機関投資家などの大きな資金も流入しやすくなり、市場全体の長期的な成長につながると期待されます。

実用化・普及フェーズへの移行

以前は「仮想通貨って何に使えるの？」という状態でしたが、現在はDeFi、NFT、Web3.0といった具体的なユースケース（使い道）が次々と生まれています。

例えば、決済手段として採用する企業が現れたり、NFTがゲームやアートの世界で一時的に大きな注目を集めたりと、仮想通貨やブロックチェーン技術は「投機」の対象から「実用」のフェーズへと移行し始めています。

ただし、NFT市場は2022年以降大きく冷え込むなど、分野によって浮き沈みは激しいのが現状です。単なるマネーゲームではなく、新しい技術やサービスを支える「価値」への投資として、今からでも参入する意義は十分にあると言えるでしょう。

仮想通貨で稼ぐために知っておくべきリスクと注意点

仮想通貨が稼げる可能性を秘めている一方で、非常に大きなリスクが伴うことも絶対に忘れてはいけません。安全に資産を運用するために、以下の注意点を必ず理解しておきましょう。

価格が暴落するリスク（損する可能性）

「稼げる理由」の筆頭に挙げた「ボラティリティの高さ」は、そのまま「大損するリスクの高さ」を意味します。昨日まで100万円だった価値が、翌日には50万円になってしまうことも、仮想通貨の世界では起こり得ます。

世界的な規制強化のニュース、大手取引所の破綻、著名人の発言など、様々な要因で価格は（本当に！）ジェットコースターのように乱高下します。利益が出ている時も、損失が出ている時も、常に冷静な判断が求められます。「必ず儲かる」という保証はどこにもなく、投資した資金を失う可能性が常にあることを肝に銘じておく必要があります。

ハッキングや取引所破綻のリスク

仮想通貨はデジタルデータであるため、常にハッキングの脅威にさらされています。取引所に預けていた資産が、不正アクセスによって盗まれてしまう事件（いわゆるGOX）は、過去に何度も発生しています。

さらに深刻なのは、取引所そのものの破綻リスク（カウンターパーティリスク）です。2022年には、世界有数の大手取引所であったFTXが経営破綻するという衝撃的な出来事がありました。これにより、多くのユーザーが取引所に預けていた資産を引き出せない状況に陥りました。

信頼できる大手取引所を選ぶことはもちろん、自身でも二段階認証を設定する、パスワードを使い回さないといったセキュリティ対策は必須です。加えて、「取引所に資産を預けっぱなしにしない」という意識も重要になります。

詐欺（スキャム）のリスク

「絶対に儲かる」「元本保証」「有名人が推奨」といった甘い言葉で誘導する詐欺的な投資話（ポンジ・スキームやラグプルなど）も後を絶ちません。

特に、SNSなどで見知らぬ人から勧められるマイナーな通貨や、新しすぎるDeFiプロジェクト、NFTのプレセールなどには、細心の注意が必要です。「美味しい話には裏がある」と常に疑い、DYOR（Do Your Own Research – 自分で調べる）を徹底してください。

税金（雑所得）の計算が複雑

もし仮想通貨で利益が出た場合、その利益は原則として「雑所得」として扱われ、確定申告が必要になります（給与所得者で年間の利益が20万円を超える場合など）。

株式投資の利益（申告分離課税）とは異なり、雑所得は給与所得など他の所得と合算して税額が決まる「総合課税」の対象です。所得が多ければ多いほど税率が上がる「累進課税」が適用されるため、利益の額によっては税率が非常に高くなる（最大で住民税と合わせて55%）可能性があります。

また、どの取引でどれだけ利益（または損失）が出たのかを、一年分すべて計算するのは非常に煩雑です。利益が出た場合に備えて、税金の仕組みもしっかり学んでおく必要があります。なお、税制は将来的に変更される可能性もあるため、必ず国税庁の最新情報を確認するか、税理士などの専門家に相談するようにしてください。

必ず余剰資金で投資する

これは仮想通貨に限らず、すべての投資における大原則ですが、特にボラティリティの激しい仮想通貨においては徹底しなければなりません。

投資に使うお金は、万が一失っても生活に支障が出ない「余剰資金」の範囲内に留めてください。生活費や将来のために貯めているお金、あるいは借金をしてまで投資することは、絶対に避けるべきです。

価格が暴落したときに「ここで売ったら生活できない」という状況に陥ると、冷静な判断（損切り）ができず、さらに大きな損失を抱え込むことになりかねません。「最悪、ゼロになっても構わない」と思える金額からスタートすることが、精神的な安定のためにも極めて重要です。

まとめ: 仮想通貨は稼げる可能性があるが、勉強とリスク管理が必須

仮想通貨（暗号資産）がなぜ「稼げる」と言われるのか、その理由や仕組み、そしてリスクについて解説してきました。

仮想通貨は、価格変動の大きさや将来性への期待から、確かに大きな利益を生む可能性を秘めています。しかし、その裏には常に、資産を失う可能性のある大きなリスクが存在します。

「稼げる」という言葉だけを鵜呑みにせず、まずは少額の余剰資金から始め、セキュリティ対策を徹底し、税金の仕組みなども含めてしっかりと勉強する。そして、自分なりのリスク管理ルールを決めて取り組むことが、この市場と長く付き合っていくために何よりも大切です。

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